今回は語順について説明をしていきます。
語順と言っても、中学で学ぶような基本的な内容ではなく、ちょっと特殊なパターンについての説明となります。
英語では、基本の語順(S+V+O)が崩れることがありますが、これは文法が複雑だからではなく、「何を目立たせたいか」、「どこを省きたいか」によって語順が調整されるためです。
本記事では、
・語順を変えて意味をはっきりさせる「倒置」
・意味が分かる部分を省く「省略」
・特定の語句を目立たせる「強調構文」
という、語順が変わる代表的なパターンを整理します。
なお前回の内容をまだ見ていない方は、こちら(主語と動詞の一致を分かりやすく解説【判断ルールを整理】 | 1から学ぶ英語)から先にご覧ください。
1⃣倒置
まずは倒置から説明していきます。
so / neither / nor が文頭に来るときの語順
1. so ~(肯定文への同意)
肯定文に対して
「私もそうだ」と言うときは so を使う。
I like coffee.
— So do I.
このときの形は、
So + 助動詞 / be動詞 + 主語
👉これは疑問文と同じ語順で、so が文頭に来たため倒置が起きている。
be動詞の文ならbe動詞が使われ、一般動詞ならdo / does / did、助動詞ならそのまま助動詞を使えばOK。
2. neither / nor ~(否定文への同意)
否定文に対して「私もそうではない」と言うときは、neither もしくは nor を使う。
I can’t drive.
— Neither can I.
— Nor can I.
形は so の場合と全く同じ。
Neither / Nor + 助動詞 / be動詞 + 主語
👉否定語句が文頭に来るため、倒置が起こる。
3. so / neither / nor は何が違う?
役割だけ押さえれば十分。
| 文の種類 | 文頭に来る語 |
|---|---|
| 肯定文への同意 | so |
| 否定文への同意 | neither / nor |
語順はすべて同じ。
4. so / neither / nor の後ろはどう決まる?
元の文の動詞をそのまま受ける。
・一般動詞 → do / does / did
・be動詞 → be動詞
・助動詞 → 同じ助動詞
She likes tea. → So does she.
She is tired. → So is she.
She can drive. → So can she.
5.よくある誤解
✕ So I do.
✕ Neither I can.
👉文頭に so / neither / nor が来たら、倒置がおこる。
6. 否定語が文頭に来た場合
either / nor だけが特別なわけではない。
次のような否定語句が文頭に来ると、倒置が起こる。
never / hardly / little / not until / only then / only when
以下例文
Never have I seen such a beautiful view.
Not until yesterday did I realize the truth.
👉 共通点はこれ。否定語句が文頭に来た瞬間、語順がひっくり返る
また、否定語ではないがonlyも文頭に来ると倒置が起こる
基本ルール
only + 副詞(句・節)が文頭に来ると倒置が起こる
※ only が 主語を修飾する場合は倒置しない。
① only + 副詞(時)
Only then did I realize the truth.
(その時になって初めて、私は真実に気づいた)
② only + 副詞(条件)
Only if you try hard will you succeed.
(本気で努力して初めて、成功する)
③ only + 副詞句(場所・方法など)
Only by chance did I meet her.
(偶然によって初めて、彼女に会った)
④ only + 節
Only when I was young did I live in Kyoto.
(若い頃にだけ、私は京都に住んでいた)
※ when 節が文頭に来ているため倒置。
倒置しない例(重要)
Only Tom knows the answer.
👉only が 主語 Tom を直接修飾しているため、倒置は起こらない。
2⃣省略
次は省略について説明します。
主語+be動詞の省略
When (I was) young, I lived in Kyoto.
この文では、when の後ろの主語+be動詞 が省略されているが、意味は変わらない。
これは、
・時・条件・理由を表す副詞節で
・主語が主節と同じ
といった場合によく起こる省略。
👉倒置ではない為、語順が変わっているわけではない点に注意。
上記以外の例文だと以下の通り。
・While (they are) working, the system will be updated.
→彼らが作業している間に、そのシステムは更新されます。
・When (it is) completed, the report will be sent to the manager.
→完成次第、その報告書はマネージャーに送られます。
3⃣強調構文
続いては強調構文について説明していきます。
強調構文(It is ~ that …)の考え方
まず結論
強調構文の that は「修飾」でも「説明」でもない。
強調した語句を文の前に引っ張り出すための that。
強調構文の基本形
It is / was + 強調したい語句 + that + 残りの文
例(普通文)
I met Tom yesterday.
強調構文
It was Tom that I met yesterday.
なぜ that 以下が不完全文になるのか
強調構文では、
・本来文の中にある語句を
・that の前に移動させている
どういうことかというと、以下の例文を見て下さい。
・I met Tom yesterday.
「私が昨日会ったのはトムだ」という強調構文を作るとします。
そうなると、上記文中のTomを強調したいので、TomだけをIt is A that ….のAの部分に
Tomを入れます。
入れた結果、前半部分はIt is Tom that…となります。
次に、I met Tom yesterday.の文ですが、先程TomはIt isとthatの間に入れたため無くなります。
ということは、I met yesterday.だけ残りますね。
この残った文をthat以下に付け足せばいいので、It is Tom that I met yesterday.という形になります。
ポイントは、強調したい語をIt is A that ….のAの部分に入れてあげる事、どの単語を入れてあげるかによりますが、「基本的には」that以下は不完全文となる事の2点です。
なぜ「基本的に」と言っているかというと、副詞を強調したい場合、そもそも副詞自体文の要素に入らない為これを強調したところでthat以下が完全文となるからです。それ以外の名詞や形容詞を入れてあげた場合は、不完全文となります。
念のため確認ですが、文の要素であるSとOは名詞、Cは名詞と形容詞となります。この部分が強調されるとthat以下は不完全文となります。
他の that との決定的な違い
| that の種類 | that 以下 |
|---|---|
| 同格の that | 完全文 |
| 関係代名詞 that | 不完全文(修飾) |
| 強調構文の that | 不完全文(強調) ※不完全文になる事が「多い」だけで、必ず不完全文になる訳ではない。 |
| It is ~ that …. | 完全文 |
👉不完全文でも、目的が違う
→ 関係代名詞と違い、修飾ではなく「強調」。
強調できるもの
強調構文は、文の要素ならほぼ何でもいける。
① 主語
It was Tom that broke the window.
② 目的語
It was this book that I wanted to buy.
③ 副詞句(時・場所・理由など)
It was yesterday that I met him.
It was because I was tired that I went home early.
that / who の使い分け
強調する語が「人」の場合、who も使える。
It was Tom who broke the window.
※ただし
・that の方が一般的
・試験・説明では that で統一して問題なし
強調構文かどうかの見分け方
強調構文か普通の「It is ~that SV」かどうかは、以下で判断。
1.文頭が It is / was
2.that 以下が 不完全文
3.前に出ている語句を元の文に戻せる
→これが全部そろえば、強調構文。
まとめ
文の一部を前に出して目立たせるための that。
強調構文の that は、「何かを修飾する that」でも「名詞を説明する that」でもない。
おまけ(that についての整理)
上記で強調構文について説明してきたので、おまけでthatの使い分けについて軽く触れようと思います。
① 指示語の that
一番直感的・安心ゾーン。
- 名詞の前 or 単独で使う
- 「あの〜」「それ」
That book is interesting.
I don’t like that.
👉 文法的に一番シンプルなところ
② 関係代名詞の that
ここは多くの読者が既知。
- 名詞の直後
- 後ろは 不完全文
- 人・物どちらも可
The book that I bought yesterday is expensive.
👉強調構文の that と見た目が似てるが役割は別
③ it is that 構文(形式主語)
- It is + 形容詞 / 名詞 + that …
- that 以下は 完全文
It is important that you study English.
👉次に出てくる強調構文とは形が似ているが別物
④ 強調構文(It is ~ that …)
- It is / was ~ that …
- that 以下は 不完全文となることが多い。
→副詞を強調したい場合は完全文となるため、必ず不完全文になる訳ではない。 - that の前に来た語句が強調される
It was Tom that I met yesterday.
who / which は今も使える?
答えだけ明確に。
人を強調する場合、
who も文法的には可
ただし that が最も一般的
例:It was Tom who I met yesterday.(やや硬い)
→試験ではthatを使っておくと間違えにくい。
⑤ 同格の that
同格の that の基本
- 直前に idea / fact / belief / news / hope / possibility など
- that 以下は 完全文
- that は 省略不可
例:The fact that he lied surprised me.
The idea that we can do it is exciting.
👉関係代名詞なら✕ he liedになるけど、同格 that は完全文OK。
関係代名詞 that との即判別ポイント
上記でも載せていますが、再掲示。
| 種類 | that 以下 | 役割 |
|---|---|---|
| 関係代名詞 | 不完全文 | 名詞を修飾 |
| 同格の that | 完全文 | 名詞の内容説明 |
| 強調構文 | 不完全文(の場合が多い) | 強調 |
| It is ~ that … | 完全文 | 内容を評価・説明 |
今回は長々と説明しましたが、語順について何となく理解は出来たでしょうか?
時制等のように頻出単元ではないですが、必要な単元なので理解できるまで確認していただけると幸いです。
なお上記で記載のある完全文、不完全文については、関係副詞の単元でも説明しているので、忘れていたりする場合はこの単元まで戻っておくと良いかなと思います。
下記リンクです。
関係副詞の見分け方|関係代名詞との違いをわかりやすく解説【高校英語】 | 1から学ぶ英語
また、文の要素についても確認したい方は、下記内容をご確認ください。
英語文型①〜③の基本|高校英語の文型を例文でわかりやすく解説 | 1から学ぶ英語
第4〜第5文型を例文で整理|高校英語文型の基本まとめ | 1から学ぶ英語
今回はここまで。

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