分詞とは?意味と使い方を基礎から解説【現在分詞・過去分詞】

英文法

今回は分詞の単元を扱います。
前回の内容をまだ見てない方は、こちら(高校英語の動名詞②|動名詞と不定詞の使い分けと慣用表現を例文で解説 | 1から学ぶ英語)から先にご覧ください。

1⃣分詞の基本
本題に入る前に…まずは以下の日本語を英語にしてみましょうか。
①彼女は英語を話しています。
She is speaking English.

②英語は彼女によって話されます。
English is spoken by her.

①、②の英文は共に中学で学習した内容です。
これを書いていただきたいわけではなく、注目してほしい点があります。
is speakingとis spokenです。
speakingを現在分詞spokenを過去分詞っていうんですけど、両方ともbe動詞の後ろにspeakを語形変化させたものが付いています。
これ、speakingとspokenで形が違うので意味に違いは出てきます
当たり前ですよね、形が違うんですから。
でも、be動詞が付くことで意味は変わりますか?

答えはNoです。

これは過去形か現在形か、もしくは未来形かの違いしか出てきません。
ということは、言い換えると
現在分詞で「~している」、過去分詞で「~される(場合によっては~された)」と訳すことが出来ます。

前回ぱっと見形が同じの動名詞というのをやりましたが、動名詞とはそもそも使い方も品詞も違います。
動名詞は名詞と同じ使い方をしますが、今回の分詞は形容詞と同じ使い方をします。

どういうことかというと…
使い方としてはこんな感じです。

名詞の直前に置いて、形容詞と同じように名詞を修飾します。
この例は単語1つなので形容詞と同じように使いますが、次の例はどうでしょう。
例)公園を走っている男の子
上の例でいくと、
a running boy in the park
と言いたいところですが、これだと走っている男の子、公園にいる男の子という風に日本語と別の訳し方になり、よく意味が分からない形になります。

ここで、中1で学習した内容を思い出してください。
机の上のリンゴって何て言いますか?
an apple on the desk
って言いますよね?
何が言いたいかというと、2語以上で別の単語を修飾する時は修飾する語の直後に置くっていうルールがあります。1単語のみの場合はほぼ直前ですが、例外として-thingの時だけ修飾語は後ろに来ます。


という事は…
以下の図を見て確認してみましょう。

後置修飾のイメージは出来ました?
この例は現在分詞ですが、過去分詞でも同じです。

因みに現在分詞と過去分詞の使い分けですが、
現在分詞は上記の通り進行形の一部なので、その動作の途中を表します。
ex)running water(流れる水)
  sleeping cat(眠っている猫)
burning candle(燃えているろうそく)
shining star(輝く星)
blowing wind(吹く風) 等
どれも現在分詞となっていて、今まさにその動作が行われている途中を表しています。
流れている途中、寝ている途中といった形ですね。

過去分詞は現在分詞と違い、完了・受動・状態のイメージです。
ex)broken window(壊れた窓)
  opened door(開けられたドア)
written letter(書かれた手紙)
fallen leaves(落ちた葉)
closed shop(閉まった店)    等
すでにその動作が完了していたり、受動を表しているものばかりですね。

※「向こうでサッカーをしている男性は私の父です」という文があった時に、以下のように書くとアウトです。
[×]The man is my father playing soccer over there.
→この例文は意味が分からないのと、文法的にアウトです。
日本語と照らし合わせてもおかしいのは明らかですが、それ以外の点でおかしいところがあります。
そもそも、男性と父親の人数を比較して、どちらが多いですか?
当然男性ですよね?父親の方が多かったら、世の中の男性以上に父親がいることになります。
という訳で、正解はこちら。
[〇]The man (playing soccer over there) is my father.
日本文を見ても主語に説明がかかっていますし、人数の多い男性に分詞を使った説明が使われていますのでこれが正しい文となります。
お気を付けください。

3⃣知覚動詞・使役動詞
(1)知覚動詞
現在分詞の場合、「S+V+O+現在分詞」の形となって「Oが~しているところを見る[聞く]」というように何かをしている動作の途中の一部を表す。
I saw him running [in the park].
(彼が公園で走っているのを見た)
She heard someone singing [in the room].
(彼女は誰かが部屋で歌っているのを聞いた)

逆に、初めから終わりまでを見たり聞いたりする場合は、「S+V+O+原形不定詞」となる。
I saw him leave the classroom.
(彼が教室を出るのを見た)
She heard someone knock [at the door].
(彼女は誰かがドアをノックするのを聞いた)

※知覚動詞に似た動詞として catchfind がありどちらも「O が~しているのを見つける」という意味で使えるが、原形不定詞を補語に取ることはできない
I caught him cheating on the test.
(彼がテストでカンニングしているところを見つけた)

上記のS+V+O+現在分詞以外にも、下記のようにS+V+O+過去分詞の用法もある。
例文ではOがモノとなり、Oとの関係は受け身となる為過去分詞が使われている。
過去分詞か現在分詞かの使い分けは、先述で説明した通り修飾される名詞との関係がどうかで使い分ける。
例:・I saw the window broken.
(私は窓が壊れているのを見た)
We heard the door locked.
(私たちはドアが施錠されるのを聞いた)

(2)使役動詞
使役動詞はmake,have,let,get等があるが、makeやhave,letについては原形不定詞が取れることは不定詞の単元で触れている。
今回は原形不定詞以外にも現在分詞や過去分詞も取れるため、上記の単語を含めて下記で紹介していく。

She had the students working [on the project] [all morning].
(彼女は生徒たちに午前中ずっとプロジェクトに取り組ませた)
→have O 現在分詞の形になると、「(ずっと)~させ続ける」といったイメージとなる。
 「~させておく」という意味で使う場合は、canやwillとともに使う事が出来る。
Ill have him waiting [for you] [until you arrive].
 (君が到着するまで彼に待たせておくつもりだ)
→元々は「持っている」という意味なので、状態の持続というニュアンス。

I got the machine running again.
(私は機械を再び動くようにした)
→「Oを~し始めるようにさせる」という、O がこれからその状態・行動に入るきっかけを作るイメージ。ここでは、機械を「動き始める状態」にしたという内容になります。

She kept me waiting [for an hour].
(彼女は私を1時間待たせ続けた)
→「~させ続ける」の意味となる。

They left the machine running overnight.
(彼らは機械を一晩中動かしたままにした)
→「~のままにしておく」という、良くも悪くも放置のイメージ。

I couldn’t make myself understood in English.
(私の英語は通じなかった)
→makeの後ろに取れる動詞の形は原形 or 過去分詞のみ。
過去分詞の場合、Oの位置に来るのはS(主語)と同じ人。この文では、myselfに対して主語がIなので、この文自体は成立。
ただし、
I made the homework done.
この例文は不適切となる。なぜか?それは、SとOが同一人物ではないから。
I=the homeworkではない
為、この例文は不適切。
また、発展問題ですが、
I made my voice heard.(自分の声を相手に聞かせた)
この例文は成立します。
先述の内容ではSとOが同一人物でないといけないという内容の記述をしましたが、今回の例文のmy voiceはSから発せられるもの(この例文ならSはIなので私自身から発せられる声)なので、それも同じものとみなし、文法的には成立します。

They kept the door locked all night.
(彼らは一晩中ドアを施錠したままにした)
He left the window closed [when he went out].
(彼は外出するとき窓を閉めたままにした)
→keepもleaveも現在分詞と過去分詞の両方が取れるが、Oとの関係を考えたら分かりやすい。

I had my hair cut yesterday.
(昨日、髪を切ってもらった)
I got my car repaired yesterday.
(昨日、車を修理してもらった)
→使役の意味としては「~してもらった」となる。
簡潔に違いを書くと、
have:手配・依頼のニュアンス
get:自分の努力や手段で実現したニュアンス
となる。

(3)その他のS+V+O+過去分詞
I want the work done by tomorrow.
(その仕事を明日までに終わらせてもらいたい)
この場合 done = 過去分詞 で「完了した状態」を指している

She likes her books arranged neatly.
(彼女は本がきちんと整理されているのが好き)

分詞の内容は他にも書きたいことはありますが、今回は基本編という事で中学の内容も含めての説明となりました。
キリもいいので、その他の内容は次の記事で説明していこうと思います。
今回はここまで。

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