今回は不定詞について説明していきます。
中学生の時に基本的な3つの用法については学習してきているかと思います。
高校英語で新しく学習するところもあるので、改めて中学の内容も含めて以下で確認してもらえればいいかなと。
尚、前回の内容(英語の受動態②|前置詞・特定動詞・イディオムを使った受け身を解説 | 1から学ぶ英語)をまだ見ていない方は、こちらを先にご覧ください。
1. 不定詞とは
不定詞とは to + 動詞の原形 で作られる語句で、名詞・形容詞・副詞のように働きます。
否定形は not to + 動詞の原形 で、不定詞の内容を否定します。
2. 基本的な3つの用法
名詞的用法
不定詞が名詞のように働き、文中で 主語・目的語・補語 になります。
例:
・To study English is important.
(英語を勉強することは大切だ) → 主語
・I want to learn Spanish.
(私はスペイン語を学びたい) → 目的語
・Her goal is to become a doctor.
(彼女の目標は医者になることだ) → 補語
補足:not to 不定詞
・I told him not to be late.
(私は彼に遅れないように言った)
→notはそもそも自分より後ろの語句しか否定しないので、ここでは「遅れる事」を否定します。
形容詞的用法
不定詞が名詞を修飾し、~するための、~するような の意味を表します。
例:
・I have a lot of work to do.
(私はやるべき仕事がたくさんある)
・She has a book to read.
(彼女は読むべき本を持っている)
・Do you have anything to drink?
(何か飲み物持ってませんか?)
副詞的用法
不定詞が動詞・形容詞・副詞・文全体を修飾し、目的・結果・原因・程度 などを表します。
例:
・I went to the store to buy some milk.
(牛乳を買うために店に行った) → 目的
・He grew up to become a great musician.
(彼は育って偉大な音楽家になった) → 結果
補足:not to 不定詞
・He spoke quietly not to wake the baby.
(赤ちゃんを起こさないように静かに話した)
→こちらも上記の内容と同じです。
3. 不定詞の基本構文
主格補語
Her work is to operate a word processor.
(彼女の仕事はワープロを操作することだ)
疑問詞+to 不定詞
・① 補語になるパターン
👉 be動詞の後で「~すべきか」「~の方法」を説明する
・My question is which to choose.
(私の疑問はどちらを選ぶべきかだ)
・The problem is how to solve it.
(問題はそれをどう解決するかだ)
② 他動詞の目的語になるパターン
👉 「~する方法/~すべきか」を他動詞の目的語として取る
・Please tell me how to use this app.
(このアプリの使い方を教えてください)
・I don’t know what to say.
(何を言ったらよいかわからない)
③ 前置詞の目的語になるパターン
👉 前置詞+疑問詞不定詞の形で「~すべきかについて」「~する方法で」
・We talked about where to go during the vacation.
(私たちは休暇中にどこへ行くべきかについて話し合った)
・She is interested in how to make cookies.
(彼女はクッキーの作り方に興味がある)
不定詞を目的語にとる動詞は、全て「疑問詞+toV」を取る訳ではない。
疑問詞+toVを目的語にとる頻出動詞は以下の通り。
分類と例
①S+V+疑問詞+toV〈第3文型〉
- show型:「どうすればよいか」などを教える
- 動詞例:show(明らかにする), explain(説明する), advise(助言する),
demonstrate(証明する),reveal(明らかにする),suggest(案を述べる) - 例文:She showed me how to solve the problem.
(彼女は私にその問題をどう解くかを教えてくれた)
- 動詞例:show(明らかにする), explain(説明する), advise(助言する),
- ask型:「どうすればよいか」を知る/見い出す
- 動詞例:ask(~を問う),discover(~かを知る),guess(推測する),think(考える)
- 例文:I asked him what to do next.
(私は次に何をすべきか彼に尋ねた)
- decide型:「どうするか」などを決める
- 動詞例:decide(決める), debate(議論する),consider(~を問う)
- 例文:He decided where to go on vacation.
(彼は休暇にどこへ行くかを決めた)
- remember型:「何をやるべきか」が分かる/思い出す
- 動詞例:remember(覚えている), konw(わかる),see(わかる),think(考える)
- 例文:I remembered what to say in the meeting.
(私は会議で何を言うべきか思い出した)
②S+V+O+疑問詞+toV〈第4文型〉
このパターンの動詞はそう多くないが、askやadviseはこの型でも用いる。
・動詞例:advise(助言する),ask(尋ねる),inform(知らせる),
instruct(教える),remind(思い出させる),teach(教える),tell(教える)
・They asked the teacher where to submit the homework.
(彼らは先生に宿題をどこに提出すればよいか尋ねた)
※疑問詞+toVとtoVのどちらも目的語にとる動詞の注意点
a)述語動詞の意味が基本的に同じなもの
・I decided what to eat.
(私は何を食べるか決めた)
・I decided to eat pasta.
(私はパスタを食べることに決めた)
→ 両方とも「決定する」で、意味は大きく変わらない。
b)述語動詞の意味が違うもの
・I asked him what to do.
(私は彼に何をすべきか尋ねた)
・I asked him to do it.
(私は彼にそれをするように頼んだ)
→ 「質問する」 vs 「依頼する」で意味が異なる。
※疑問詞不定詞と不定詞の両方を目的語にとる動詞の中には、上記以外に意味が変わらないものと変わるものがある。
・意味が変わらない動詞:remember, learn など
・意味が変わる動詞:tell, show など
→このように、動詞によって使い分けが必要なため注意が必要。
seem to V
(1)seem to V の形
①単純形の不定詞「~するように見える」
・He seems to know the answer.
(彼は答えを知っているようだ)
(It seems that he knows the answer.)
②進行形または完了形の不定詞
進行形「~しているようだ」
・She seems to be studying hard.
(彼女は一生懸命勉強しているようだ)
(=It seems that she is studying hard.)
完了形「~したようだ」
・They seem to have finished their homework.
(彼らは宿題を終えたようだ)
③過去時制
seemed to Vで「~のように見えた」
・He seemed to be tired yesterday.
(彼は昨日疲れているように見えた)
※未来形は〈will seem to V〉
④否定文
They don’t seem to understand the instructions.
(彼らは説明を理解していないようだ)
(=It doesn’t seem that they understand the instructions.)
→否定文では、seem not to Vよりも例文のようにdon’t seem toを使うのが通例である。
It主語構文でも、〈It doesn’t seem that S V〉と書くのが普通。
(2)〈seem to V〉構文の特徴
①上記例文でも触れているが、〈It seems that S V〉書き換え可能。
・He seems to enjoy playing tennis.
(=It seems that he enjoys playing tennis.)
(彼はテニスを楽しんでいるようだ)
②〈There seems to V〉構文でも用いられる
・There seems to be a problem.
(問題があるようだ)
(=It seems that there is a problem.)
(3)〈seem to V〉と同じ構文を取る動詞
appear to V / be (un)likely to V / happen to V / turn out to V 等がある。
・He appears to be very busy today.
(彼は今日、とても忙しそうだ)
・Children are likely to enjoy this new game.
(子どもたちはこの新しいゲームを楽しみそうだ)
・We happened to find a good restaurant while walking around the city.
(街を歩いているとき、偶然良いレストランを見つけた)
今回は基本から確認していきました。
長くなるかと思うので、一旦ここまで。
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