今回は受動態の単元を取り扱いますが、前回の内容を見てない方はこちら(助動詞① | 1から学ぶ英語 / 助動詞② | 1から学ぶ英語)から先にご覧ください。
使用していた教科書によりますが、中2の後半から中3の初めにかけて学習した単元ではないでしょうか。
中学で習った内容はあくまで基本的なところが多いですが、高校英語にもなるとボリュームが多くなります。
まずは能動態から受動態へ直すところから確認していきましょう。

受動態を作る6つのステップ
- 目的語を主語にする
能動態の文にある目的語を主語に変えて、文頭に置きます。 - 動詞を「be動詞+過去分詞」に変える
be動詞は時制や単複に合わせて変化させます。 - 動作主を表すときは “by+元の主語”
「誰によって」を表すときは、by の後に元の主語を置きます。 - 補語はそのまま残す
第5文型の文などで補語がある場合は、そのまま受動態の文に残ります。 - 目的語が2つある文はどちらかを主語にする
第4文型の文では、どちらの目的語を主語にしてもOK。 - 修飾語はそのまま使う
場所や時間などの修飾語句は、そのまま受動態の文に残します。
注)by ~ はいつも必要ではない
受動態の文では、行為者を示すときに「by+人(もの)」を置くことができるけれど、常に使うわけではありません。
だれが行為をしたかが重要なときだけ書く、というのが自然な英語。
・A hurricane destroyed the town.
(ハリケーンが町を破壊した)
→ The town was destroyed by a hurricane.
(町はハリケーンによって破壊された)
※原因が大事なので by を残す
・People speak Spanish in Mexico.
(メキシコでは人々がスペイン語を話す)
→ Spanish is spoken in Mexico.
(メキシコではスペイン語が話されている)
※「誰が」ではなく「言語」が大事なので by them は不要
要するに by が省略されやすいのは…
1.主語が we, you, they, people のように「人々」を指す一般表現のとき
2. 行為者をわざわざ明らかにしなくてもよいとき
第3文型 (S+V+O )の場合
基本の受動態。目的語を主語に置きかえます。
・The teacher explained the rule.
→ The rule was explained (by the teacher).
※目的語が名詞節のときは「It is said that…」や「He is said to…」の形も使える。
・They believe that she will win the prize.
→ It is believed that she will win the prize.
→ She is believed to win the prize.
第4文型 (S+V+O1(人)+O2(モノ))の場合
第4文型のように目的語が2つある文では、どちらを主語にするか選べる。
・The manager gave her a new task.
→ She was given a new task (by the manager).
→ A new task was given to her (by the manager).
・They promised the team a reward.
→ The team was promised a reward.
→ A reward was promised to the team.
👉 O2 が主語になった場合は、残った O1 の前に to や for を置くことが多い。
第5文型( S+V+O+C) の場合
目的語に補語がつく場合、補語はそのまま残ります。
・The voters elected her mayor.
→ She was elected mayor (by the voters).
※知覚動詞・使役動詞では、不定詞に to が必要になる点に注意。
・We saw him cross the street.
→ He was seen to cross the street.
・They made me rewrite the report.
→ I was made to rewrite the report (by them).
受動態の時制について
能動態と同じように、受動態にも文法上は12種類の時制を作ることができます。
形だけで言えば「現在・過去・未来」「完了」「進行」「完了進行」をすべて組み合わせられます。
受動態の時制一覧
時制 | 能動態の例 | 受動態の例 |
---|---|---|
現在形 | They repair the bridge. | The bridge is repaired. |
過去形 | They repaired the bridge. | The bridge was repaired. |
未来形 | They will repair the bridge. | The bridge will be repaired. |
現在完了形 | They have repaired the bridge. | The bridge has been repaired. |
過去完了形 | They had repaired the bridge. | The bridge had been repaired. |
未来完了形 | They will have repaired the bridge. | The bridge will have been repaired. |
現在進行形 | They are repairing the bridge. | The bridge is being repaired. |
過去進行形 | They were repairing the bridge. | The bridge was being repaired. |
未来進行形 | They will be repairing the bridge. | The bridge will be being repaired. |
現在完了進行形 | They have been repairing the bridge. | The bridge has been being repaired. |
過去完了進行形 | They had been repairing the bridge. | The bridge had been being repaired. |
未来完了進行形 | They will have been repairing the bridge. | The bridge will have been being repaired. |
注意
- 文法上は 12種類の受動態 を作ることが可能。
- しかし 進行形+完了形の受動態(例:has been being repaired)は意味的に不自然で、ネイティブもほとんど使いません。
- したがって、実際によく使われるのは8種類(現在・過去・未来・現在完了・過去完了・未来完了・現在進行・過去進行)です。
補足:助動詞と受動態
助動詞があるときは「助動詞+be+過去分詞」の形になる。
・能動態:We can see stars at night.
・受動態:Stars can be seen at night.
受動態の疑問文、否定文、命令文
A) 否定文
・形式:S+be動詞 + not + 過去分詞
例:The window was not[wasn’t] broken.
(その窓は壊されなかった)
B) 疑問文
・形式:Be動詞+S+ 過去分詞~?
例:Was the window broken?
(その窓は壊されたのか?)
⇒Yes, it was. / No, it wasn’t.
(はい、壊されました。/いいえ、壊されませんでした。)
・What was eaten at the party?
(そのパーティーで何が食べられたのか?)
C) 命令文・禁止文
- 形式:Let + 目的語 + be + 過去分詞
- 例:Let this line be divided into two equal parts.
(この線を2等分に分けなさい)
否定の命令文(禁止文)になると、二通りの受動態が可能
・Don’t let +目的語+be動詞+過去分詞
例:Don’t open the window. (窓を開けてはいけません)
→ Don’t let the window be opened.
Make sure the window is not opened.
少し長くなりそうなので、今回はここまでとしておきます。
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