今回は動名詞の単元を取り扱います。
前回までの内容を見てない方は、こちら(高校英語の不定詞③|さまざまな構文と慣用表現を例文で解説 | 1から学ぶ英語)を先に確認してから今回の内容に入ってください。
1⃣動名詞の基本
(1)動名詞の「動詞っぽい性質」
動名詞という名前がついているけれど、もともとは動詞。
だから「動詞らしい使い方」も出来る。
①目的語や補語をとる
・She admitted breaking the window.
(彼女は窓を壊したことを認めた)
→ breaking が動名詞で、the window を目的語にしている。
・His hobby is collecting stamps.
(彼の趣味は切手を集めることだ)
→ be動詞「is」の補語として collecting stamps が使われている。
②完了形・受動態としても使える
・She denied having stolen the bag.
(彼女はそのバッグを盗んだことを否定した)
(=She denied that she had stolen the bag.)
→過去に起こったことを表したいときに「having + 過去分詞」で表現する。
・She is afraid of being left alone.
(彼女は一人にされるのを怖がっている)
※want, need, require(~が必要である), deserve(~に値する)といった単語の後ろに動名詞が来ると、形は能動態であるが意味は受け身となる。
・The car wants washing.(その車は洗われる必要がある)
(=The car needs to be washed.)
(2)動名詞の「名詞っぽい性質」
上記の「動詞っぽい性質」があるのと同時に、動名詞というくらいなので「名詞」としての顔も持っていて、普通の名詞と同じように文の一部になれる。
①主語・目的語・補語になれる。
・Learning a new language requires patience and practice.(主語)
(新しい言語を学ぶには忍耐と練習が必要だ)
・She avoided making the same mistake again.(動詞の目的語)
(彼女は同じ間違いを二度としないようにした)→「~することを避ける」の意訳
・He apologized for being late.(前置詞の目的語)
(彼は遅刻したことを謝った)
・His favorite activity is solving challenging puzzles.(補語)
(彼の一番好きな活動は難しいパズルを解くことだ)
2⃣動名詞の意味上の主語
(1)人称代名詞
動名詞はもともと動詞なので、行為の主体(意味上の主語)を明示したい場合がある。
この場合、人称代名詞の所有格を使う。
主語の時も所有格を使用。
・Their winning the prize surprised everyone.
(彼らが賞を取ることは、皆を驚かせた。)
・I appreciate your[you] helping me.
(あなたが私を手伝ってくれることに感謝する)
→この例文のように、動名詞が他動詞や前置詞の目的語の場合本来所有格を置くが、砕けた言い方をする際は目的格を使う事が多い。
(2)人や動物を表すとき
①主語の時
・John’s playing the guitar cheered everyone up.
(ジョンがギターを弾くことは、みんなを元気づけた)
②他動詞や前置詞の目的語の時
→’sはつけない事が多い
・We enjoyed Mary(’s) singing at the party.
(私たちはパーティーでメアリーが歌うのを楽しんだ)
・They talked about the dog(’s) barking all night.
(彼らは犬が一晩中吠えていたことについて話した)
③無生物の時
無生物というのは、人や動物以外のものを指す
・The success of the project(’s) being delayed was unexpected.
(プロジェクトが遅れたことの成功は予想外だった)
※以下の場合、意味上の主語は特に示さない
a)一般の人を指し示す場合
・Driving after drinking alcohol is strictly prohibited by law.
(お酒を飲んだ後に運転することは、法律で厳しく禁じられている)
b)文の主語と同じ場合
・She insisted on attending the meeting despite her illness.
(彼女は病気にもかかわらず、その会議に出席することを主張した)
→文全体の主語がSheで、動名詞に所有格が付いていない為主張したのも出席するのも同じ人物となる。
c)直前の他動詞の目的語を同じ場合
・They encouraged the students to keep studying hard even during the vacation.
(彼らは休暇中であっても一生懸命勉強を続けるように学生たちを励ました)
3⃣完了形の動名詞
文全体の動詞(述語動詞)より前の時を表す。
・I am proud of having completed the project on time.
(プロジェクトを期限内に完成させたことを誇りに思う)
→誇りに思っているのは「今」、プロジェクトを完成させたのは過去になる為この形となる。
「reading」の例で分詞と動名詞の違い
大前提ではあるが、分詞も動名詞も元々は動詞でそこから派生した文法事項ではあるが、そもそも品詞が違うため使い方も異なる。
簡単に言うと、名詞として使うのか形容詞として使うのかの違い。
1️⃣ 役割で分ける
形 | 役割 | 名詞・動詞・形容詞としての働き | 例文(意味) |
---|---|---|---|
動名詞 (gerund) | 名詞っぽい働き | 文の主語・目的語・補語になる | Reading books is fun. (本を読むことは楽しい) |
現在分詞 (present participle) | 形容詞っぽい働き | 名詞を修飾する | The reading child is focused. (本を読んでいる子どもは集中している) |
2️⃣ 覚え方
- 動名詞 → 「~すること」と訳せる → 文の中心は「行動」
- 分詞 → 「~している」と訳せる → 名詞の「状態」を説明する
3️⃣ 図でイメージ
動名詞(名詞): Reading books → [行動そのもの] が楽しい
分詞(形容詞): reading child → [子どもの状態] を説明
4️⃣ 身近な例
- 動名詞:Jogging in the morning is healthy.
(朝ジョギングすることは健康にいい) - 分詞:I saw a jogging man.
(ジョギングしている男性を見た)
「動名詞 + 名詞の組み合わせ(名詞化した動名詞)」
動名詞 + 名詞 | 訳 |
---|---|
dining room | 食堂、ダイニングルーム |
hearing aid | 補聴器 |
reading glass | 老眼鏡 |
sewing machine | ミシン |
visiting card | 名刺 |
waiting room | 待合室 |
walking stick | 杖 |
writing desk | 書き机 |
今回はここまで。
次回後半戦へ進んでいきます。
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