今回は仮定法を取り上げます。
前回の内容をまだ見ていない方は、こちら(分詞構文とは?意味・作り方・使い方をわかりやすく解説【例文付き】 | 1から学ぶ英語)からご確認ください。
1⃣仮定法とは
元々高校の文法の範囲でしたが、2020年の指導要領改訂により中学校の文法に下りてきたようですね。
中学でも高校でも触れる内容なので、基礎から確認していきます。
本題に入る前に、まずこちらから確認してきましょう。
If it rains tomorrow, we’ll stay home.
(もし明日雨が降ったら、私たちは家にいる)
この例文は中学でも出てくるようなものですが、細かい説明は省きますがこの内容は現在形で書かれている為明日雨が降る可能性って十分あり得ますよね?
ざっくりとした説明ですが、ifで書かれた文が現在形で書かれている=可能性があるという認識で良いかと思います。
ではこの文はどうでしょうか。
If it rained tomorrow, we would stay home.
(もし明日雨が降ったとしたら、私たちは家にいるだろうに)
こちらの例文は上記の例文と違い、If内の文は過去形、主節は助動詞の過去形(今回はwould)+動詞の原形になっています。
これが今回の仮定法の内容です。
2⃣仮定法の基本(仮定法過去)
仮定法とは「現実には起こっていないことや、起こる可能性が低いこと」を表す表現で、現在の事に対して表す時は仮定法過去、過去の事に対して表す際は仮定法過去完了となります。
If it rained tomorrow, we would stay home.
という例文については、If節が動詞の過去形、主節は助動詞の過去形(今回はwould)+動詞の原形戸なっているので、仮定法過去となり「現在の事についてあり得ない事、可能性が低い事」を表します。
仮定法過去完了についてはまた別途説明していきます。
仮定法過去は
If S 動詞の過去形~, S would / could / might / should等 + V原形~.
であり、
「もしSが〜なら〜なのに」「もしS〜だったら〜するのに」という訳し方になり、主節の助動詞により微妙に訳し方が変わったりしますが、大方これで訳せます。
では、なぜ現在の事を言うのに過去形なのか?
これはイメージというか考え方です。
中学の数学で関数をやったのは覚えてますか?
基本的な関数のグラフがイメージ出来れば、考えやすくなります。

仮定法のイメージはざっくりこんな感じです。
真ん中の原点が現在、X軸(横軸)は純粋に時間を表していて、左に行けば過去、右に行けば未来を表します。
中学校まではこの横軸の移動だけを学習していました。
5分前、5日前、5年前等とにかく昔の事を表したければ時間を左にずらしていけば良かったわけです。
ただ、今回の仮定法はそうではなく、今まで横にしかずれていなかったものが上にずれます。
仮定法はあくまで「あり得ない事」を言いたいわけです。理想と大体同じイメージですね。
その「あり得ない事」を言いたい時に、原点から上に移動します。
これまで左に移動していたものが上に移動し、理想と現実で距離が出来てしまうため、現在形ではなく過去形が使われるという事になります。これが「仮定法過去」ですが、形は過去形でも、あくまで「現在の事実に反する事」について言っていますので、訳は現在形と同じように訳します。
過去の事はそのまま仮定法過去の位置から左にずらしてあげれば良くて、これに関しては仮定法過去完了として英文を書きます。
これはまた次回触れます。
ここまでで何となく仮定法過去と仮定法過去完了のイメージは出来ました?
例文もいくつか紹介していきます。
・If I were a bird, I could fly across the sky.
(もし鳥なら、空を飛べるのに)
→実際鳥じゃないから飛べないんだけどねーって文です。
・If I were rich, I would travel around the world.
(もしお金持ちなら、世界中を旅するのに)
→実際お金持ちじゃないから、世界中旅行なんて出来ないって内容です。
★be動詞を使用する場合は、wasではなくwereを使うのが一般的です。
・If I had more money, I would buy a new computer.
(もしもっとお金があれば、新しいパソコンを買うのに)
→実際はお金が無いから、新しいパソコンは買えません。あくまでお金がもっとあればという事です。
・If I studied harder, I could pass the exam.
(もっと一生懸命勉強すれば、試験に合格できるのに)
→受験生の切実なメッセージですね。。実際は一生懸命勉強してないのでしょう…。
・If I had more time, I might start a new hobby.
(もっと時間があれば、新しい趣味を始めるかもしれない)
→時間があればという仮定の話で、実際は時間がないのですね。
高校のテストや大学入試、社会人の方ならTOEICの文法問題で仮定法の問題が出てくるとしたら、以下のような形でしょうか。
(1)If I ___ a millionaire, I would buy a big house.
a) am b) were
c) was d) be
(2)If I ___ more free time, I might start a new hobby.
a) have b) had
c) has d) having
(3)If I were rich, I ___ a big house
a) buy b) would buy
c) will buy d) bought
(4)If I had a car, I ___ drive to the mountains.
a) could b) can
c) will d) do
これはサンプル問題で仮定法過去に限定していますが、基本的にはIf節の動詞か主節の助動詞の形(would / could / might +動詞の原形)で判断をして穴埋めをしていけば大丈夫です。
次回また触れますが、仮定法過去完了も混ざった状態で穴埋め問題が出る場合もあります。
今回は仮定法の基本と仮定法過去に絞ってお話しました。
何となくイメージできましたか。
次回は仮定法過去完了を取り扱おうと思います。
今回はここまで。
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